免疫療法
私たちの体は免疫によって発生したがん細胞を排除しています
私たちの体は免疫(めんえき)によって発生したがん細胞を排除しています。
しかし、下の図のように免疫が弱かったり、がん細胞が免疫にブレーキをかけたりすることにより、私たちの体ががん細胞を異物として排除しきれないことがあります。
免疫療法は、免疫本来の力を回復させてがんを治療する方法です
免疫療法は、免疫本来の力を回復させることによってがんを治療する方法で、近年注目されており、研究が進められています。
効果が明らかな免疫療法は限られています
これまでの研究では、残念ながらほとんどの免疫療法では有効性(治療効果)が認められていません。
現在、臨床での研究で効果が明らかにされている免疫療法は、「がん細胞が免疫にブレーキをかける」仕組みに働きかける免疫チェックポイント阻害剤などの一部の薬に限られ、治療効果が認められるがんの種類も今はまだ限られています。
※「免疫療法(広義)」と「免疫療法(効果あり)」の違いについて
現状では「免疫療法」はさまざまな治療法を含んだ言葉であり、有効性が認められているかいないかに関わらず広く「免疫療法」と呼ばれています。そこで、この情報ページでは一般的な意味での免疫療法を「免疫療法(広義)」とし、科学的に有効性(治療効果)が証明されている治療については「免疫療法(効果あり)」として、分けて説明していきます。
自由診療で行われる免疫療法(広義)では慎重な確認が必要です
「免疫療法(広義)」は発展途上の治療法で、有効性(治療効果)が科学的に証明されていない免疫療法も多数あります。
効果が明らかになっていない治療法は、保険診療として認められていないことから、患者が全額治療費を支払う自由診療として行っている医療施設もあります。
一口に「免疫療法(広義)」と言っても、効果が証明され保険診療になっているものと、効果が確認されていないものがありますので慎重な確認が必要です。
患者さんやご家族が、標準治療が使えなくなるなど治療の選択に困り、自由診療でのがん免疫療法(広義)を選択肢として考えるときには、その選択をする前に公的制度に基づく臨床試験、治験などの研究段階の医療を熟知した医師にセカンドオピニオンを求めることをお勧めします。
セカンドオピニオンを求める医師がわからない場合には、ご自分の担当医やがん診療連携拠点病院などに設置されているがん相談支援センターにご相談ください。
免疫療法(効果あり)にもリスクがあります
免疫療法(効果あり)は、従来の化学療法に比べて副作用が少ないと報告されています。
しかし、これまでの薬とは異なる作用をすることから、免疫療法(効果あり)では副作用がいつ生じるか予測がつかないため注意が必要です。
また、思わぬ部位に副作用が出ることがありますので、免疫療法(効果あり)を受ける前に、治療を提供する医師によく確認しておく必要があります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません